スウェーデンに愛をこめて」

アート・ファーマー、ジム・ホールのコンビによる名盤である。全曲スウェーデン民謡による本作品はピアノ・レスで展開されるが、ホール(g)の手腕が全てを物語っている。

ピアノ・レスによる3部作の3作目にあたる本作はスウェーデン民謡に目をつけたアートの主眼にも目をみはるものがある。

アート、ホールの息のあったプレイが聴けるのも、このアルバムならではである。

スウェーデンの民謡はどこか物悲しく、白夜を思わせるような曲調のものが多い。それらをジャズ風に仕上げたのだから、このグループのクオリティーの高さを感じる。 続きを読む スウェーデンに愛をこめて」

ダウン・ホーム

ズート・シムズの代表作であり、全曲見事にスイングさせている所がまたすごい。

1曲目の「ジャイヴ・アット・ファイヴ」はカウント・ベイシーの演奏でも有名だが、ズートの「ジャイヴ・アット・ファイヴ」も負けず劣らず素晴らしい。

この居心地のよいスイング感はズート独特のものであり他の追随を許さない。それはズートのテナーの音色によるものだろう。

ズートはレスター・ヤング派でレスターにもっとも近い存在としても知られている。 続きを読む ダウン・ホーム

ベイシー・ビック・バンド

ビック・バンドならカウント・ベイシーを愛聴している。バンドの温もりが、そのままベイシーの人柄をあらわしている。

ビック・バンドと言えばベニー・グットマンの「シング・シング・シング」、デューク・エリントンの「テイク・ザ・A・トレイン」グレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」などが有名だが、カウント・ベイシーはこれぞカウント・ベイシーと言う曲がない。

もちろんジャズファンなら知っているはずだが、一般の方にカウント・ベイシーの好きな曲はと聞かれても、答えられないはずである。

ベイシー・ファンなら「リル・ダーリン」、「パリの4月」をあげるだろう。本作品は1975年の録音で、曲のよさから気に入っている。 続きを読む ベイシー・ビック・バンド

ウォーン・マーシュ・カルテット

ウォーン・マーシュを初めて聴いた時は衝撃的だった。

下手・・。いや実はそれは僕のジャズ歴が浅すぎて、マーシュの良さが分からなかったのだ。

マーシュの良さはのらりくらりと、聴く側をはぐらかすところにある。

2曲目の「ニューヨークの秋」を聴いていただきたい。ピアノがテーマを奏で、次いでマーシュの、デフォルメをしたメロディーが流れてくる。

こうなるともうお手上げだ。マーシュの術中にはまったも当然。 続きを読む ウォーン・マーシュ・カルテット

オール・イン・グット・タイム

ドン・スカレッタと言うピアノ弾きをご存知である方は少ないだろう。僕もあるレコードショップでたまたま目にして購入したのだが、聴いて失敗したと思った。

いつもの如くCD棚の奥いきである。ある日、偶然手に取った本作品を改めて聴き返してみると、今までの下品なラムゼイ・ルイス風ピアノがなんと上品に聴こえるではないか。

だからジャズはやめられない。1曲目の「エクソダス」のスリリングさと言ったら、ラムゼイ・ルイスの二番煎じと証した自分が恥ずかしくなる。

そして2曲目の「ユーア・マイ・ガール」のプレイには聴き入るばかりである。ピアノのタッチは、さほど強くはないが、それがかえってスカレッタの個性に繋がっている。 続きを読む オール・イン・グット・タイム

中間派ジャズとは?