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トランペット・トッカータ

ケニー・ドーハム、ブルーノート・レーベルのラスト・レコーディングが表題の「トランペット・トッカータ」である。1964年の録音になる。

ドーハムはこれを期に一時ジャズ界から姿を消し、再びジャズシーンに顔を出したのは1970年夏、シカゴで行われた、チャーリー・パーカー・メモリアル・コンサートで、リーダーセッションとして録音された最期のアルバムとなる。その2年後、帰らぬ人となった。

48歳の若さだった。メモリアル・セッションは幾らリーダーセッションとはいえ、オムニバス盤である。

だから僕にとってはこの「トランペット・トッカータ」が限りなく愛でたい。表題の「トランペット・トッカータ」が1曲目にドーンとくる。 続きを読む トランペット・トッカータ

アット・ザ・オペラ・ハウス

スタン・ゲッツ、J・J・ジョンソンによる1957年9月29日のドキュメントを録音したものである。

このCDにはモノラル盤とステレオ盤が入っていて、同曲が4曲あり、その聴き比べをするだけでも、楽しめる内容になっている。

ゲッツ、J・Jの2人のインプロバイザーは極限のプレイを繰り広げる。特に気分屋ゲッツは、その日の状況により良くも悪くもなる文豪である。

この日はスタン・ゲッツらしからぬハードなプレイを聴かせてくれる。 続きを読む アット・ザ・オペラ・ハウス

サムホエア・ビフォー

キース・ジャレットの1968年のライブ録音の本作の聴き所は、1曲目の「マイ・バック・ページ」である。ピンときた方はボブ・ディラン・ファンだけではないだろう。

日本でも真心ブラザーズがリメイクしている。それをジャズにしてしまったのがキースなのだ。

キースの「マイ・バック・ページ」はライブ録音と銘打ってはいるが、スタジオ録音であると言うのが大半の見方である。キースのインプロバイザーとしての力量が充分に発揮されている。

キースは60年代から活躍し、今も病気を乗り越えて活躍する大ベテランであるが。本作品のヒットにより、よりファン像が増えたのではないだろうか。 続きを読む サムホエア・ビフォー

マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ

モード以前のマイルス・デイビスはジャズを楽しんでいる。

本作品も1曲を除いて1954年の吹き込みで、MJQのピアノがジョン・ルイスから、セロニアス・モンクに入れ替わっているだけだ。

1曲目の「ザ・マン・アイ・ラヴ」は特にジャズ史上に残る迷演奏だ。マイルスはテーマを崩しながらトランペットを奏でる。

次いでミルト・ジャクソンのソロに入る。ジャクソンは例の如くブルージーな演奏で聴く側を飽きさせない。 続きを読む マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ

ジミー・ロウルズ・オン・ツアー

ジミー・ロウルズは1950年代、ウエスト・コーストで活躍したピアニストの1人である。その後、ウエスト・コースト・ジャズの衰退によりスタジオワークを余儀なくされる。

本作品は1978年の録音であるが、50年代中期から活動をしていないロウルズには、かなりのブランクがある。

それに先立つ1974年頃からジャズの仕事を再開していたが、本作品はその中でも人気盤の一つである。

ウエスト・コースト時代に比べ音が弱冠、柔らかく感じられる。 続きを読む ジミー・ロウルズ・オン・ツアー