モード以前のマイルス・デイビスはジャズを楽しんでいる。
本作品も1曲を除いて1954年の吹き込みで、MJQのピアノがジョン・ルイスから、セロニアス・モンクに入れ替わっているだけだ。
1曲目の「ザ・マン・アイ・ラヴ」は特にジャズ史上に残る迷演奏だ。マイルスはテーマを崩しながらトランペットを奏でる。
次いでミルト・ジャクソンのソロに入る。ジャクソンは例の如くブルージーな演奏で聴く側を飽きさせない。
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ピアノがモンクに変わると様相が変わってくる。テーマをだるそうに奏でて、果てには演奏をやめてしまう。
ベースのパーシー・へース、ドラムのケニー・クラークのリズム陣の音がスタジオに響き渡り、緊張感が走った時、マイルスが、モンクを促すように、トランペットを鳴らす。
ハッとなったモンクはここでベスト・プレイを聴かせるからすごい。
喧嘩セッションとして有名だが、モンクがマイルスに借金があって、ノー・マネーの仕事に、モンクがやる気が起きなかったと、諸説様々な逸話が残っている。
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