ミシェル・サダビィと言うピアニストをご存知だろうか。初心者にはぜひ聴いていただきたい、ピアニストの1人である。
主に1950年代からパリで活動を続けてきたが、1970年パリ録音による初のピアノ・トリオによるリーダー作「ブルー・サンセット」を録音する。
その7年後ニューヨークで録音されたのが、本作「イン・ニューヨーク」である。サダビィにとっては4作目の作品で題名が示す通り初のニューヨーク録音と言うことになる。
サダビィは自作曲が高く評価されていて、このアルバムもほとんどがサダビィの手によるものだ。
「イン・ニューヨーク」はどちらかと言えば辛口だが、サダビィはどちらかと言えば、甘口な方なので、辛口が好みの方には聴きやすい内容になっている。
1曲目の「ザ・パンサー・オブ・アンティグニー」はサダビィのこれからのニューヨークでの活躍を予期させるような、鋭い語り口で始まる。
もちろんモードなどと言う奏法は使用しない。ハードバップの流れを引き継ぐ演奏になっている。
嬉しいのはベースにリチャード・デイヴィスが参加していることだ。
歴史的名盤「エリック・ドルフィー・ファイヴ・スポット」の一連の録音に参加し、「イン・ニューヨーク」でもその健在振りが聴いてとれる。