アート・ファーマー、ジム・ホールのコンビによる名盤である。全曲スウェーデン民謡による本作品はピアノ・レスで展開されるが、ホール(g)の手腕が全てを物語っている。
ピアノ・レスによる3部作の3作目にあたる本作はスウェーデン民謡に目をつけたアートの主眼にも目をみはるものがある。
アート、ホールの息のあったプレイが聴けるのも、このアルバムならではである。
スウェーデンの民謡はどこか物悲しく、白夜を思わせるような曲調のものが多い。それらをジャズ風に仕上げたのだから、このグループのクオリティーの高さを感じる。
1曲目の「ウォズ・イット・ユー」に、すんなりと入っていけたら、このアルバム持つ魅力を半分は理解したと言ってもいい。
軽いと思った方はこのアルバムの良さを分かるには時間を要するだろう。
それにしてもホールのインプロビゼーションの高さには驚くほかない。テクニックもそうだが、ギターで感情表現をしてみせるのだから脱帽してしまう。
アートのフリューゲルホーンも独自のスタイルで築き上げてきたのではないだろうか。その音色は柔らかく、温かみを持っている。