ファンキーの代名詞とも言えるウイントン・ケリーの「ケリー・ブルー」。
冒頭のポール・チェンバースのベースを弾く(はじく)音が印象的だ。その4小節が終わると、テーマに入る。
このテーマがファンキーなフレーズの連続で、ソニー・クラークのようなスマートさはないが、泥臭にまみれた作業衣を洗濯したようなさっぱり感があるのが特徴だ。
「ケリー・ブルー」は小コンボによる演奏で、ピアノ・トリオではないが、「ケリー・ブルー」のアルバムそのものは、ピアノ・トリオ中心に入っている。
1曲目が印象的なために、2曲目のピアノ・トリオによる「朝日のようにさわやかに」が際立たないのが残念であるが、それだけ「ケリー・ブルー」の演奏がすごすぎるのだ。
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3曲目の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」もピアノ・トリオによる演奏でケリーのセンスの良さが全面に出た演奏になっている。
「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」と言えば、この時期にビル・エヴァンスも演奏している。
両者を比べると洗練されたエヴァンスの演奏、土の匂いが香り立つケリーの演奏。僕は迷わずケリーを選ぶ。
エヴァンスは難解だが、ケリーは直感で演奏している。白人と黒人の違いか。かと言ってエヴァンスが嫌いなわけではないから、手に負えない。
ファンキー・ジャズは黒人の魂であり、最大の表現方法なのだ。
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