マイルスがモードを思案中、ジャズ界はファンキーブームに溢れていた。その際たるものがジャズ・メッセージャンズの「モーニン」であろう。
ボビー・ティモンズの筆による曲だが、これが一大ムーヴメントを巻き起こし、日本でもファンキーの風が吹き荒れた。
ヤクザな曲をヤクザに演奏した、リー・モーガンも素晴らしいが、それ以上にヤクザな演奏を聴かせてくれる、ボビー・ティモンズは「モーニン」を一層引き立てている。
モーガンのデビュー・アルバム「リー・モーガン・インディード」は1956年のアルバムだが、弱冠18歳のモーガンのファンキーぶりを既に聴いて取ることが出来る。
特に1曲目の「ロッカス」などは、ファンキー・トランペットの完成形を、開間見ることができる。
続くアルバム「イントロ・ドューシング」では「リー・モーガン・インディード」のファンキーさ程露出していないが、やはりレーベルの違いか、「リー・モーガン・インディード」のピアニストがホレス・シルヴァーと言うことも大きく作用しているのではないだろうか。
「リー・モーガン・インディード」はまさにブルーノと的アルバムとしか言いようがない。
モードが一般大衆に受けたかというと、一部のジャズファンだけの間だけではなかっただろうか?世間はランキー色で溢れていてモードの入る余地などなかったのだから。