中間派ジャズと言うジャズのカテゴリーに入るジャズが存在することを初心者の方々には理解していただきたい。「中間派と言われても・・」。
ハイ、その気持ち分かります。ほとんどの初心者がハード・バップから入り50年代のジャズを理解できる人が半分はいたとして、そのまま60年代に突入する気持ちもすごく理解できる。
しかしいきなり、新主流派なる、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、フレディー・ハバードなどなど、これらの方々のジャズを信棒してしまうと、後々はジャズを捨てる羽目になる。
またジョン・コルトレーンなどのフリー系に走り、信者になる方もいるだろう。これまた破滅の道へとまっしぐらだ。
コルトレーンを代表する60年代をリアルタイムに聴いてきた、爺様方には「ありがたやコルトレーン様」みたいな感覚がどうしても、リアルに耳にこびりついているのだからしょうがない。
しかし僕は60年代のなんか安保闘争とか暗いイメージがあって中々60年半ば以降には足を踏み入れられなかった。
そこで中間派なるジャズを知り、ビック・ディッケンソンのトロンボーンの音色の虜になってしまった。金管楽器とは思えない、木管楽器のような暖かみのある音色である。
モダンばかり聴いていた耳には新しい発見だった。そのアルバムが「ショウケース」だ。1曲目の「ロシアの子守唄」のリズム・ギターが心を浮き立たせる。
エドモンド・ホールの渋みのある音。そして僕はスイングに開眼したのだ。全て中間派ジャズのお陰だ。
中間派を聴いていなかったら、スイングなんて一生聴かなかったことだろう。中間派様々である。中間派とはニューオリンズ・ジャズとモダン・ジャズの中間と言う意味である。