モーニン

マイルスがモードを思案中、ジャズ界はファンキーブームに溢れていた。その際たるものがジャズ・メッセージャンズの「モーニン」であろう。

ボビー・ティモンズの筆による曲だが、これが一大ムーヴメントを巻き起こし、日本でもファンキーの風が吹き荒れた。

ヤクザな曲をヤクザに演奏した、リー・モーガンも素晴らしいが、それ以上にヤクザな演奏を聴かせてくれる、ボビー・ティモンズは「モーニン」を一層引き立てている。

モーガンのデビュー・アルバム「リー・モーガン・インディード」は1956年のアルバムだが、弱冠18歳のモーガンのファンキーぶりを既に聴いて取ることが出来る。

特に1曲目の「ロッカス」などは、ファンキー・トランペットの完成形を、開間見ることができる。 続きを読む モーニン

モードの特許資格

モード奏法は、マイルス・デイビスが編み出したものだが、それを期に、水を得た魚のように活躍の場を広げたのがジョン・コルトレーンだ。

コルトレーンはマイルスの提案したモードの一番の理解者だったのではないだろうか。

1959年アトランティックレーベルから「ジィアント・ステップス」を発表。

内容は全曲コルトレーンのオリジナルであり、またその曲想が60年代のムーヴメントを引き起こす引き金となるのは、僕だけの理由付けではあるまい。

「ジャイアント・ステップス」はコルトレーンにとっては重要なアルバムに違いない。かのライバル、ロリンズは、その後のスタイルがコルトレーンそのものになってしまった。 続きを読む モードの特許資格

セロニアス・モンクは何故、崇められるのか

セロニアス・モンクはスイングには興味がないように思われて仕方がない。「5byMONKby5」を聴くたびに、不自然なリズムで不協和音を鳴らす。

これはマイルス・デイビスのアルバム「バグス・グルーヴ」で自分のソロのところで、モンクにピアノを弾いてくれるなと言った気持ちが手に取るように分かるような気がする。

モンクがバッキングでピアノを弾くと、全てがモンク色に染まってしまう。マイルスはそれを恐れたのだ。

「5byMONKby5」を聴けば一目瞭然だ。僕はモンクのコレクターでもないし、コレクションもそれほどない。

しかし一聴するだけで、モンクが何を表現したいのか、聴く側の僕としては不安でしょうがない。 続きを読む セロニアス・モンクは何故、崇められるのか

ハード・バップの誕生的アルバム

1954年プレステージレーベル録音の「バグス・グルーヴ」マイルス・デイビスの二つのセッションをまとめたものである。

この二つのセッションでマイルスは自由奔放でハードなフレージングを聴かせる。それまでウエスト・コーストにジャズの中心はあった。

かのクリフォード・ブラウン、マックス・ローチの双頭コンビもこの年にウエスト・コーストで、歴史に残るライブ録音を収めたアルバムを発表した。

しかし僕としては、とりわけ重要視はしていない。何故ならブラウンは既にハード・バップの形を彩っていたからだ。

一方のマイルスである。ソニー・ロリンズはこのアルバムで3曲、曲を提供しているが、既にロリンズ節のようなアドリブもわずかではあるが聴いてとることができる。 続きを読む ハード・バップの誕生的アルバム

中間派ジャズとはなんぞや

中間派ジャズと言うジャズのカテゴリーに入るジャズが存在することを初心者の方々には理解していただきたい。「中間派と言われても・・」。

ハイ、その気持ち分かります。ほとんどの初心者がハード・バップから入り50年代のジャズを理解できる人が半分はいたとして、そのまま60年代に突入する気持ちもすごく理解できる。

しかしいきなり、新主流派なる、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、フレディー・ハバードなどなど、これらの方々のジャズを信棒してしまうと、後々はジャズを捨てる羽目になる。

またジョン・コルトレーンなどのフリー系に走り、信者になる方もいるだろう。これまた破滅の道へとまっしぐらだ。

コルトレーンを代表する60年代をリアルタイムに聴いてきた、爺様方には「ありがたやコルトレーン様」みたいな感覚がどうしても、リアルに耳にこびりついているのだからしょうがない。 続きを読む 中間派ジャズとはなんぞや