ロバート・ケネディの事件があったのは1968年6月5日のことである。フィル・ウッズは当時フランスに居を構えており、活動の場もパリ中心であった。
ケネディと身近な存在にあったウッズは悲しみと絶望を味わう。そして出来上がった曲が冒頭の「若かりし日」である。
ウッズの怒りのアルトが火を噴く。物悲しさが切々と伝わってくるのだから、ウッズの表現力には脱帽せざるをえない。
ウッズと言えばチャーリー・パーカー直系のアルト奏者だが、このアルバムの奏法は時代にそくした吹奏と言えよう。
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全体的に70年代のアコースティック・ジャズの流れを作り上げたような出来栄えになっている。
ウッズのほとばしるアルトはモードを感じさせないで聴けるのがすごいところだ。
2曲目の「アライヴ・アンド・ウェル」3曲目の「フリーダム・ジャズ・ダンス」でもウッズのアルトの怒りは収まらない。
本国、米国ではけして作ることの出来なかったアルバムだったに違いない。それだけジャズに無理解な国になっていたのだ。
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