「ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト」はセロニアス・モンクの代表作だが、マイルス・デイビスの「ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト」の方が有名になってしまったのは、モンクにとっては手痛い話しである。
しかしモンクの「ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト」にはモンクなりの良さが充分にあり、文句をつけるなと、駄洒落のひとつも言いたくなるのもしょうがない(笑)。
「ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト」は1956年の録音でジョン・コルトレーンも自身の吹奏をしている。
2曲目は1955年の録音なのでどうしてもソニー・ロリンズ的である(笑)。冒頭の「ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト」はマイルスの名演と言えよう。
名盤であることを予期するような吹き方をしているではないか。コルトレーンも充分に持ち味を出している。
3曲目の「オール・オブ・ユー」はこう言う風に演奏をしてほしいと言うリクエストに答えたかのような演奏だ。ミュート・トランペットが既にマイルスの顔になっている。
続く「バイ・バイ・ブラック・バード」はマイルスの有名な演奏のひとつでもある。
後年キース・ジャレットがマイルスをトリビュートした同題名のアルバムを録音して話題になったことがあった。
最終曲の「懐かしのストック・ホルム」については多くを語らずとも聴いていただければ納得するだろう。