「ジャズの名盤」カテゴリーアーカイブ

バルネ・ウィラン

バルネ・ウィランはフランスのテナー・サックス奏者だが、1950年後期に頭角をあらわしてきた、いかにも白人らしいスタイルで演奏するのが特徴のテナー・マンである。

【バルネ】はケニー・ドーハムとコンビを組んだパリのライブ録音だが、1959年の時代背景を考えると、ハード・バップがパリで好まれて聴かれていたのが分かる。

1959年と言えばマイルス・デイビスのモードの誕生を皮切りにニューヨークではファンキーブーム真っ只中である。

この時期は渡欧するミュージシャンが多く、パリではクラブの仕事に事欠かないと言う都市伝説的なものがあったが、それはあきらかに都市伝説で、そうそうクラブの仕事の依頼がある訳でもなかった。 続きを読む バルネ・ウィラン

フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン

ロバート・ケネディの事件があったのは1968年6月5日のことである。フィル・ウッズは当時フランスに居を構えており、活動の場もパリ中心であった。

ケネディと身近な存在にあったウッズは悲しみと絶望を味わう。そして出来上がった曲が冒頭の「若かりし日」である。

ウッズの怒りのアルトが火を噴く。物悲しさが切々と伝わってくるのだから、ウッズの表現力には脱帽せざるをえない。

ウッズと言えばチャーリー・パーカー直系のアルト奏者だが、このアルバムの奏法は時代にそくした吹奏と言えよう。 続きを読む フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン

ブルー・サージ

ボストン・ジャズの代表格はチャリー・マリアーノと言うことになるのだろうか。むしろ僕は本作品の主人公サージ・チャロフのような気がしてならない。

ボストン・ジャズと、ウェスト・コースト・ジャズをごっちゃにするファンも多い。ボストン・ジャズはウェスト・コースト・ジャズに比べ音楽が重めである。

チャロフは33歳の若さで癌に侵され亡くなるが、残したリーダー作はそう多くはない。

本作品においても分かるように黒人ミュージシャンをバックにワンホーンで演奏したアルバムはこの1枚だけだ。 続きを読む ブルー・サージ

オール・イン・グット・タイム

ドン・スカレッタと言うピアノ弾きをご存知である方は少ないだろう。僕もあるレコードショップでたまたま目にして購入したのだが、聴いて失敗したと思った。

いつもの如くCD棚の奥いきである。ある日、偶然手に取った本作品を改めて聴き返してみると、今までの下品なラムゼイ・ルイス風ピアノがなんと上品に聴こえるではないか。

だからジャズはやめられない。1曲目の「エクソダス」のスリリングさと言ったら、ラムゼイ・ルイスの二番煎じと証した自分が恥ずかしくなる。

そして2曲目の「ユーア・マイ・ガール」のプレイには聴き入るばかりである。ピアノのタッチは、さほど強くはないが、それがかえってスカレッタの個性に繋がっている。 続きを読む オール・イン・グット・タイム