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ジェリコの戦い

コールマン・ホーキンス晩年の名作である。ライブ録音の割には音はクリアである。

ホーキンスの進化し続ける姿勢がカッコいい。スイング・テナーを吹かせたら、バッパー達もいちころもないだろう。

1曲目「オール・ザ・シングス・ユー・アー」の吹きっぷりはどうだ。音のぶっとさは、ソニー・ロリンズもかなわないかもしれない。

そして問題が2曲目の「ジェリコの戦い」である。

軽快なリズムに乗ってテナーを鳴らすホーキンス、テナーがテーマを奏で終えたあとの、雄たけびにも似たホーキンスの音は、ジョン・コルトレーンをしっかり視野にいれている。 続きを読む ジェリコの戦い

バリー・ハリス・アット・ザ・ジャズ・ワークショップ

バリー・ハリスははっきり言ってこの1枚しかコレクションがない。ハリス・ファンに怒られそうだが、ハリスを聴いているのではなく、ルイス・ヘイズのブラッシングが聴きたいがためだ。

このアルバムの聴き所は冒頭の「あなたの心は」であろう。ヘイズのブラッシング、サム・ジョーンズのギシギシ響くベース。

ハリスは軽やかなタッチでピアノと戯れている感じだ。これもヘイズのブラッシングあってこそなせる技だ。

「カーテン・コール」のヘイズのブラッシングがまた素晴らしい。抜き差しならぬブラシの名手である。

ハリスはそこそこの出来でいいのだ。ライブ録音だが、皆、へイズのブラッシングに酔いしれているようにしか思えないのは、僕だけだろうか。 続きを読む バリー・ハリス・アット・ザ・ジャズ・ワークショップ

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

デクスター・ゴードンは40年代後半、ワーデル・グレイとのテナー・バトルで注目を集めた、テナー・サックスのビバッパーだが、そのスタイルは後年ソニー・ロリンズを中心とするテナー・マンに多大なる影響を与えた。

そのスタイルはいい意味で純朴でストレートに吹く太い音は、コールマン・ホーキンスの影響が見て取れる。

そのゴートンが50年代に入るとぱったりと仕事が入らなくなる。おそらく薬の関係と思われるが、50年~60年にかけて3枚のアルバムしか残していないのは以外である。

しかし思わしくない体調で吹き込んだ、本作や【デクスター・ブロウズ・ホット・アンド・クール】のバラット・プレイには光るものがある。

僕の好きな「ダーン・ザット・ドリーム」、「ニューヨークの秋」などは感動を呼ぶ。 続きを読む ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

ブルー・サンセット

フランスのピアニスト、ミシェル・サダビィの代表作でもある【ブルー・サンセット】。1曲目に同題の曲が収録されている。

サダビィの手によるものだが、スタンダードとはまた違う、サダビィの作曲のセンスが光る。サダビィの作る曲は、だいたいにして1曲、1曲、曲調が違うところがすごいところだ。

その「ブルー・サンセット」であるが、マイナー調の曲で哀愁漂う薫り高いものである。前奏でグッとくる。

「ブルー・サンセット」にはまったら、サダビィ中毒になるのは間違いないだろう。僕もその1人であるから。 続きを読む ブルー・サンセット

カム・フライ・ウィズ・ミー

ピム・ヤコブス・・あまり聞かない名前である。たまたま「枯葉」が入っていたので購入したのと、ジャケットに惹かれて購入したのが主な理由だ。

聴いてみると分かるようにスタンダード中心の組合せで仕上がっている。そして何よりも音がいい。

ヤコブスのピアノがきらめいている。1曲目の「アイブ・ガット・ザ・ワールド・オン・ア・ストリング」を聴いてもらいたい。普通である。

しかし凡庸ではない。普通にピアノを弾くと言うのは案外難しいのではないだろうか。

ジャズメンは個性の固まりの集団であり、個性なくしてジャズはありえないと言うくらいである。 続きを読む カム・フライ・ウィズ・ミー