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ジョシュア・レッドマン1993年

1990年代に入ると第2次ハード・バップ時代が到来する。

それは1980年代のキース・ジャレットによるスタンダードを見直そうと言う発言からも分かるように1970年代のジャズの状況は散々であった。

リスナーも本当の所を言うと1950~60年代初頭がモダン・ジャズのもっとも質の高い音楽性を持っていた時期だと気づいていたはずである。

現にCDショップに行くと50年代のアルバムのなんと多いことか。それらが売れ筋で、リスナーの答えなのである。

キースのスタンダーズは見事に成功を収める。それを引きづいた若手ミュージシャン達が、1990年代をおおいに盛り上げてくれた。 続きを読む ジョシュア・レッドマン1993年

ジャズの歴史とその後

1970年代に入るとフュージョンが大手を振って歩いて行くが、僕の私感ではフュージョンはジャズとは呼びがたい。電気楽器を用いたジャズなどこの世に存在する訳がない。

故に1970年代の黄金期のジャズメン達は何をしていたのか?それはもちろん、アコースティック・ジャズをしていたのだ。

そして1970年代の新風といったらピアノ・ソロ以外には考え付かない。

1970年代は密かにピアノ・ソロのムーヴメントが起こっていた。その火付け役は、やはりキース・ジャレットであろう。

1971年に発表した「フェイシング・ユー」はキースの初のピアノ・ソロアルバムだが、これは、はっきり言ってすごい。 続きを読む ジャズの歴史とその後

ソロ・モンク

セロニアス・モンクは「ソロ・モンク」では不協和音を多用しない。いわゆる、リラクゼーション的な仕上がりになっている。

いつものあの個性的なモンクはここにはいない。1964年~65年にかけての録音だが、ラグタイム風に弾くピアノは時代に逆行していると言ってもよい。

実はこれがモンクの本質ではと疑いを持ってしまうが、これもモンクの一つの表現なのだろう。

この時期ジャズ界はジョン・コルトレーン、新主流派などフリーから、ジャズ・ロックが主流で、まるでモンクはジャズとはこういうものなんだよと言わんばかりの快演ぶりである。

僕がこのアルバムが好きな理由は先ず聴きやすいということ。選曲がいいこと。そして我が愛聴曲「アスク・ミー・ナウ」が収録されていることである。 続きを読む ソロ・モンク

初心者だからこそ避けたいジャズのスタイル

ジャズはアドリブを楽しめなければ、ジャズから足を洗うことになりかねないが、ジャズにはかた苦しくアドリブを演奏する時期や、ミュージシャンがいる。

そういう型にはまった時期のジャズは聴かないほうが無難だろう。

ビバップは初心者には向かない。アドリブが先行して曲が楽しめないからだ。

1960年代以降の新主流派なる一連のミュージシャンのジャズも避けたほうがよい。1960年代を楽しむなら、ネオ・スイングを楽しめばいい。

中でもピィー・ウィー・ラッセルは1920年後半から活躍してきたミュージシャンで、1960年代のネオ・スイングの中心的なミュージシャンでもある。 続きを読む 初心者だからこそ避けたいジャズのスタイル

瞳を閉じて

「瞳を閉じて」と言う曲の題名を聞くと、映画「世界の中心で愛をさけぶ」の平井堅を思い出す人がほとんどだろうが、ジャズのリスナーはブルー・ミッチェル(tp)の1960年リバーサイドレーベルの「ブルース・ムース」の〈瞳を閉じて〉を思い浮かべるだろう。

結構アメリカン・スタンダードのパクリみたいなものもあるみたいだが、「PS・I・LOVE・YOU」と言う曲名を聞いたこともある。

「PS・I・LOVE・YOU」は、リー・モーガンのサヴォイレーベルの録音が有名だが、ジャズを知らない人に、熱心にその話をしても虚しいだけだ。

さて話は「瞳を閉じて」に戻るが、この曲の代表作として、先ず真っ先に思い浮かぶのがミッチェルの「瞳を閉じて」であろう。

バックでピアノを弾いているウィントン・ケリーがまたいい。ファンキーで名を売ったケリーだが、ラムゼイ・ルイスのような、安売りはしない人だ。 続きを読む 瞳を閉じて