ジョシュア・レッドマン1993年

1990年代に入ると第2次ハード・バップ時代が到来する。

それは1980年代のキース・ジャレットによるスタンダードを見直そうと言う発言からも分かるように1970年代のジャズの状況は散々であった。

リスナーも本当の所を言うと1950~60年代初頭がモダン・ジャズのもっとも質の高い音楽性を持っていた時期だと気づいていたはずである。

現にCDショップに行くと50年代のアルバムのなんと多いことか。それらが売れ筋で、リスナーの答えなのである。

キースのスタンダーズは見事に成功を収める。それを引きづいた若手ミュージシャン達が、1990年代をおおいに盛り上げてくれた。

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ウイントン・マルサリスも1980年代にスタンダード中心のアルバムを発表し、90年代にハード・バップを橋渡ししてくれたひとりである。

これらを評論家の先生方は新伝承派とまたも意味不明な命名をする。評論家の先生方は何かにつけて、命名するのがお好きなようだ。

その新伝承派の中で即座に注目を集めたのはジョシュア・レッドマンその人である。

特に1993年ワーナーレーベルから発表した「ウイッシュ」はパット・メッセニー(g)チャーリー・ヘイデン(b)ビリー・ヒギンスなどベテラン人をバックに演奏しても、揺るぎ無い自身にみなぎっている。

僕のお気に入りは4曲目の〈ディザーヴィング・メニー〉である。ジョシュアももちろんのこと、パット・メッセニーのギターが素晴らしいのだ。

メッセニーのインプロビゼーションの質の高さに脱帽である。表題曲ウイッシュはライブ録音で、気分が高揚していくジョシュアに感動する。

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