1957年に既にヒップ・ポップ的音楽が存在していたこをご存知であろうか?それもジャズ界でそれが作られていたとしたら驚きではないだろうか?
しかしそれが存在するのだ。チャールス・ミンガスの「ジャズ&ポエトリー」と言うアルバムである。
ジャズと詩の朗読と言う実に斬新な試みをミンガスは成し遂げた。
1曲目の「シーズン・イン・ザ・シティ」がそれであるのだが、メルヴィン・スチュアートをナレーションに加え音楽と詩の融合に見事成功している。
このアルバムは後代のヒップ・ホップ界に影響を与えた作品としても有名である。
しかし発売当時はあまり注目を集めなかったらしく、その理由として挙げられるのが同時期に録音した名盤「道化師」、「ティファナ・ムード」の影に隠れてしまったと考えられる。
「シーズン・イン・ザ・シティ」がどれだけの異色を放ったかは、初心者の方々にじかに聴いていただきたいところである。
ヒップ・ホップと言う言葉は少しオーバーに聞こえたかもしれないが、1957年当時ジャズ界はファンキーブームである。
それらを鑑みると、「ジャズ&ポエトリー」の前衛性が理解できるだろう。