ピアノ・トリオにハズレはないとよく言われるが、そんなことはない。ハズレはどのスタイルにも必ずあるもので、ピアノ・トリオも例外ではない。しかし多少ではあるがピアノ・トリオは初心者にとっては聴きやすいものではないだろうか。
オスカー・ピーターソンの人気盤「プリーズ・リクエスト」は実に分かりやすく、聴きやすい。1964年の録音でボサノバの曲も取り入れたりと、このあたりは当時のアルバムとしては当たり前のことである。
コレクターは後半の8,9,10番を重視して聴くのが正しい「プリーズ・リクエスト」の聴き方である。初心者には理解しがたいかもしれないが、何年かジャズを聴いていくうちに、必ず理解できる時がくると断言しておきたい。
ピーターソンを聴かないのがジャズ通などと一昔前まで言われていたが、ピーターソンほどエンターテーメントなジャズメンも珍しい。
マニア受けはしないが、ジャズ・ファン以外でもピータそんならと、レコードに手を伸ばす人が多いのだろう。「プリーズ・リクエスト」は、その際たるもので一般大衆にもっとも受け入れられた1枚である。
ピーターソンを、いやジャズの第一歩に「プリーズ・リクエスト」を手にしてみてはいかがだろうか。