「ジャズの歴史」カテゴリーアーカイブ

セロニアス・モンクは何故、崇められるのか

セロニアス・モンクはスイングには興味がないように思われて仕方がない。「5byMONKby5」を聴くたびに、不自然なリズムで不協和音を鳴らす。

これはマイルス・デイビスのアルバム「バグス・グルーヴ」で自分のソロのところで、モンクにピアノを弾いてくれるなと言った気持ちが手に取るように分かるような気がする。

モンクがバッキングでピアノを弾くと、全てがモンク色に染まってしまう。マイルスはそれを恐れたのだ。

「5byMONKby5」を聴けば一目瞭然だ。僕はモンクのコレクターでもないし、コレクションもそれほどない。

しかし一聴するだけで、モンクが何を表現したいのか、聴く側の僕としては不安でしょうがない。 続きを読む セロニアス・モンクは何故、崇められるのか

モードの特許資格

モード奏法は、マイルス・デイビスが編み出したものだが、それを期に、水を得た魚のように活躍の場を広げたのがジョン・コルトレーンだ。

コルトレーンはマイルスの提案したモードの一番の理解者だったのではないだろうか。

1959年アトランティックレーベルから「ジィアント・ステップス」を発表。

内容は全曲コルトレーンのオリジナルであり、またその曲想が60年代のムーヴメントを引き起こす引き金となるのは、僕だけの理由付けではあるまい。

「ジャイアント・ステップス」はコルトレーンにとっては重要なアルバムに違いない。かのライバル、ロリンズは、その後のスタイルがコルトレーンそのものになってしまった。 続きを読む モードの特許資格

モーニン

マイルスがモードを思案中、ジャズ界はファンキーブームに溢れていた。その際たるものがジャズ・メッセージャンズの「モーニン」であろう。

ボビー・ティモンズの筆による曲だが、これが一大ムーヴメントを巻き起こし、日本でもファンキーの風が吹き荒れた。

ヤクザな曲をヤクザに演奏した、リー・モーガンも素晴らしいが、それ以上にヤクザな演奏を聴かせてくれる、ボビー・ティモンズは「モーニン」を一層引き立てている。

モーガンのデビュー・アルバム「リー・モーガン・インディード」は1956年のアルバムだが、弱冠18歳のモーガンのファンキーぶりを既に聴いて取ることが出来る。

特に1曲目の「ロッカス」などは、ファンキー・トランペットの完成形を、開間見ることができる。 続きを読む モーニン

名曲、クリフォードの思い出

歴史を代表する、ジャズトランペッター、クリフォード・ブラウンが自動車事故でこの世を去ったのは1956年6月のことだった。

その突然の死にジャズ界は揺らいだ。マイルス・デイビスはブラウンの出現により薬から手を退(ひ)いたとも言われている。

それほどクリフォード・ブラウンの存在は大きかった。

ブラウン死後、ジャズ界はブラウンを凌ぐスターを求めた。そこに登場したのがリー・モーガンである。

モーガンの出現によりジャズ界が活気づいたのは、確かだが、ブラウンとモーガンはあきらかに奏法に違いがあった。 続きを読む 名曲、クリフォードの思い出