1930年代に入るとスイング・ジャズが主流になってくる。この時代こそがジャズの第一次黄金期であることは間違いないだろう。
スイング・ジャズの中心となったのが、ビック・バンドで、その大衆的人気を博したのがベニー・グッドマン楽団であった。
グットマンに続いて、アーティー・ショウやトミー・ドーシー楽団など優れたビック・バンドも台頭してきたが、スイング時代のもっとも優れたオーケストラは黒人のデューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団である。
この時代に活躍したのが各楽団の花形、ソリスト達である。特にコールマン・ホーキンスとレスター・ヤングのテナーサックス・プレイヤーは目を見張るものがあった。
コールマンにしろ、レスターにしろ、後代に大きな影響を与えている事実は免れない。特にレスターはビ・バップの神様チャーリー・パーカーにも影響を与えたほどだ。
コールマンは〈ボディー・アンド・ソウル〉が高く評価されビ・バップも積極的に取り入れた。
コールマンの音は太く、力強い。デクスター・ゴートン、ソニー・ロリンズにも影響の影が見える。
レスターはどちらかと言うと、白人に与えた影響が強く、スタン・ゲッツ、ズート・シムズ(共にテナー・サックス)が代表格だが、レスターのメロディアスなフレーズは口あたりもよく悪くない。