ハンプトン・ホースはウエスト・コーストを代表するピアニストだが、本作を含め1950年代中期に吹き込んだピアノ・トリオ3部作は有名である。
本作はその2枚目にあたるアルバムだが、出来栄えは悪くないだろう。
個人的にはVOL・3を勧めたい所だが「あなたと夜と音楽と」が冒頭にくる本作は、やはり捨てがたい。
全盛期が1949年~52年にかけてと短いように感じるかもしれないが、その時期があまりにも出来が良すぎたのだ。
初期のアート・ペッパー・カルテットの一員としての活躍ぶりは、アート・ペッパーをバッキングだけで完全に食ってしまうありさまだ。アート・ペッパーもたまったものではなかっただろう。
本作は故に全盛期を終えての熟練期の録音と言えよう。しかしそれでもホースは巧みな技術で素晴らしい演奏を繰り広げる。
一気一聴出来る1枚であるのも嬉しい。話は「あなたと夜と音楽と」に戻るが、これは出来栄えとしては中々のものであろう。
得意の縦乗りのピアノ。身体が自然に揺れるのも無理がない。