Categories: ジャズの名盤

カム・フライ・ウィズ・ミー

ピム・ヤコブス・・あまり聞かない名前である。たまたま「枯葉」が入っていたので購入したのと、ジャケットに惹かれて購入したのが主な理由だ。

聴いてみると分かるようにスタンダード中心の組合せで仕上がっている。そして何よりも音がいい。

ヤコブスのピアノがきらめいている。1曲目の「アイブ・ガット・ザ・ワールド・オン・ア・ストリング」を聴いてもらいたい。普通である。

しかし凡庸ではない。普通にピアノを弾くと言うのは案外難しいのではないだろうか。

ジャズメンは個性の固まりの集団であり、個性なくしてジャズはありえないと言うくらいである。

しかし個性ばかりが全面に出ても、その人の持つ本当の良さが出ないのではないだろうか?その点ヤコブスは極めて普通にピアノを操っている。

タッチは力強くなく、スムースな曲の流れに身を任せるようにピアノを弾く。「枯葉」を聴けば分かると思うが、テーマよりもアドリブの方がスリリングである。

「枯葉」で少し熱くなったヤコブスではあるが、それだけ「枯葉」は難しい曲なのだ。マイルス・デイビス、ビル・エヴァンスは特別である。

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