ストレート・アヘッド

JRモンテローズは現在、生存しているのかさえ分からぬほど、放浪に暮れた生涯だった。1959年録音の本作はブルーノート盤に並び名盤であることに間違いはない。

何故、モンテローズは一処(ひとどころ)に落ち着かずに、クラブを転々と渡り歩いたのだろう。

モンテローズの名前を知らしめたのが、チャールス・ミンガスの【直立猿人】でのプレイである。

独特の奏法でレガート・プレイではなく、スタッカート的スタイルのインプロビゼーションを得意とする。本作の表題「ストレート・アヘッド」が1曲目に登場する。

ピート・ラロカ(ds)とのフォーバス、トゥーバス、ワンバスはこのアルバムのハイライトでもあり白熱したプレイが聴かれる。

スポンサーリンク

続く「コートにすみれを」はジョン・コルトレーンの名演でも有名だがモンテローズも負けてはいない。

スタッカート・プレイが独自の「コートにすみれを」を表現する。全体的に重苦しいアルバムだが、「コートにすみれを」はこのアルバムのオアシス的存在である。

モンテローズは60年代に私家的録音のアルバムを残してまた旅立ってしまった。モンテローズは今もどこかでテナー・サックスを吹いているのだろうか。

関連記事(一部広告含む):